なぜチタンの鎧を使うのか?
フリクション低減
チェーンが曲がるとき、そこには抵抗が生まれる。
あなたがペダルを踏みこんだ瞬間、クランクを通じてチェーンリングへ、そしてチェーンを介してリアスプロケットに伝わる。
そして最後にリアホイールを回して路面へと力を伝える。
しかし、
この「力の伝達の道のり」の中には、 必ず摩擦(フリクション)という“見えない敵”が存在します。
摩擦は、あなたの努力を少しずつ奪っていく
チェーンが1回転する間に、リンク同士は数百回もの金属接触を繰り返します。
そのわずかな抵抗が積み重なると、
ペダルで生み出したパワーの2〜5%が失われてしまうこともあります。
例えばFTP 300Wの選手なら、
6〜15Wが「摩擦の熱」として消えている計算です。
この差は、登坂で数メートル、スプリントならタイヤ1本分の差に相当します。
1ワットを上げるために何週間もかけてトレーニングしているのに、
チェーンの摩擦で10ワットを失っている――
それほど残酷な現実があるのです。
チタンの鎧なら
チェーンのリンク表面にナノレベルのチタン層を形成。
この鎧のような被膜が、金属摩擦を極限まで抑え、
潤滑剤だけでは不可能な低フリクション状態を長期間維持します。
結果として――
- ペダルで生まれた力が、より多くリアホイールへ伝わる
- 動力損失が減り、同じ力でより高いワット数を維持
- 摩耗や汚れが少なく、性能が安定して続く
滑らかなシフトチェンジ
フリクション低減の効果が、パワー伝達に有効であるのに加え、滑らかなシフトチェンジにも有効です。
電動シフトが普及する以前、優れたライダーはギアチェンジ時にペダリングトルクを緩めたり、レバーの押し加減を調整したりして最も効率的なシフトチェンジを行ってきました。
今は電動シフトと優秀なギア設計により、ボタン一つでスムーズなギアチェンジができているように錯覚しています。
実際、ギアチェンジ時、特にトルクをかけた状態でのギアチェンジ時には
チェーンに横方向の多大なストレスがかかっています。ねじれ、引っ張り、圧縮、衝撃が一瞬で集中。
チェーンに横方向の力がかかるとき、金属同士の抵抗はより大きくなります。
一コマ一コマのプレート同士が面と面で接するためです。接触面積が大きくなる。その方向に力がかかる。このため抵抗が大きくなります。
この抵抗が大きくなる瞬間、回転に引っ掛かりがあるような感触が生まれます。
わずか0.1秒の遅れが、スプリント中なら加速のリズムを崩し、
ヒルクライムなら呼吸とケイデンスを乱します。
この「ギアが決まらない一瞬」が、勝敗を分けることすらあるのです。
チェーンリンクにも効果を発揮
チタンの鎧は、チェーンリンクの金属表面にナノレベルのチタン層を形成し、
金属同士の直接接触を限りなく減らすことで、
ギアチェンジ時の“引っかかり摩擦”を劇的に低減します。
結果として、
- チェーンがスプロケットの歯を「滑るように」乗り換える
- 変速ショックが減り、スムーズかつ静かなシフトフィールを実現
- パワー伝達が途切れず、変速中もトルクを維持
特にレースシーンでは、登坂やスプリント中にギアを切り替える瞬間が訪れます。
その一瞬、チタン鎧処理チェーンは力の流れを止めない。
まるで変速が“存在しなかった”かのように、駆動力が継続します。
自浄効果(セルフクリーニング効果)
チェーンに付着する砂埃や油膜の汚れ。
それはただの見た目の問題ではなく、摩擦抵抗の増加そのものです。
汚れはリンクの隙間に入り込み、
微細な研磨剤のように金属を削りながら、
ペダルを踏み込むたびに小さなロスを生み出します。
レース後半、脚が限界に近づいたとき――
そのロスが、ペダルが重く感じる原因になる。
ほんの少しの抵抗が、加速を鈍らせ、リズムを狂わせる。
また、雨のマウンテンバイクレース、
わざと水を撒いたコースのシクロクロスレースなどの条件では
チェーンに付いた泥が、ディレーラーに付着していきます。
最悪の場合ギアチェンジ不能になることも。
クリーンなチェーンは、クリーンな出力を生む。
それがパフォーマンスの真理です。
汚れが付きにくくパフォーマンスを維持
金属表面がチタン粒子により、ナノスケールで平滑化することで、
油膜や汚れが定着しにくい表面構造を作り出します。
さらに、チタン層は静電気の帯電を抑え、
走行中に埃や砂を“引き寄せない”。
その結果、チェーンの表面は常にクリーンな状態を維持し、
潤滑剤の持続時間も延び、摩擦の増加を防ぎます。
雨上がりの路面、ダート混じりの区間、長時間のロードレース。
どんな環境でも、滑らかな回転感が途切れない。

チタンの鎧 チェーン
チェーンはパワーの伝達者
どんなに強い脚を持っていても、
どんなに精密なクランクやホイールを使っていても、
チェーンの摩擦が大きければ、その力は“届かない”。
だからこそ、摩擦を削る=速さを手に入れる。
それは単なる整備ではなく、
あなたの努力を確実に結果へ変えるための、最後の最適化です
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